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巽為風 そんいふう

●䬝風船を覆すの象

おうふうふねをくつがえす

 重巽の卦である。巽を風とし、それが重なっているから大風とみる。風とは大風のことでオオカゼと訓ずる。支那大陸では大風の吹く時にはゴビ砂漠の砂塵を吹き上げて、遠く数百里の地にも及ぶので所謂『黄塵万丈(こうじんばんじょう)』といって空が黄色にみえるので、大風のことを風と書くのである。又巽に舟の象あり、そして巽は二陽の下に一陰があって、物の顛倒(てんとう)とみるところから、舟を覆すの語をかけたのである。

●枝折れ幹仆るの意

えだおれみきたおる

 下卦の巽を幹とし上卦の巽を枝とする。この卦重巽の大風のために樹木を吹き仆される意があるところから此の語をかけたのである。