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艮為山 ごんいさん

●山上関を鎖(とざ)すの象

さんじょうせきをとざす

重艮の卦である。下卦の艮は、山とし、上卦の艮を門とする。又、艮に止まる意あり。山上に門を設けて往来の人馬を止めるのは関所である。此の卦は山地剥(さんちはく)の卦の三爻が陽爻になった形で、剥を大いなる門とし、その五陰を門扉とし三爻の陽爻を貫木(かんぬき)とする。即ち山上の関所の門扉を鎖(とざ)した象である。

●蔦葛身に纏うの意

つたかずらみにまとう

 艮に身体の象があり、又蔦葛の象がある。下卦の艮を身とし、上卦の艮を蔦葛とみる。これは進むのを止める意であるが、彖伝に『艮は止まるなり、時止まれば即ち止まり、時行けば即ち行く、動静其の時を失わざれば、其の道光明なり』とあるから、その身に纏った蔦葛が取り除かれる時期が来たならば、その時は往くも亦妨げないことになるのである。