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雷沢帰妹 らいたくきまい

●少女男を追うの象

しょうじょおとこをおう

 上卦震を長男として下卦兌を少女とする。これ少女が長男を追い求め、なお長男に随(したが)うを悦ぶ象である。風山漸も此の卦も共に婚姻の卦であるが、漸卦は順縁の卦であるから『女とつぐに吉 貞(ただ)しきによし』といい、此の帰妹卦は逆縁の卦故『往(い)けば凶なり、利するところなし』とある。即ち少女の身で長男を追い求める故に、これ逆縁というのである。

●顚倒齟齬の意

てんとうそご

男を以て女に下るは婚姻の道であるから婚礼は大抵男子側から礼を厚くして嫁を迎えるのが普通であるのに、もし女子より男子に挑み女子側から婚礼を申込むのは、これ顚倒齟齬であるとの意である。顚倒は、逆さまなること、齟齬は上歯と下歯、相合わざるをいうのである。