· 

坎為水 かんいすい

●二人水に溺れるの象

ふたりみずにおぼれる

 重坎の卦である。坎は陥である一陽が二陰の間に陥る、陥れば険む、此の卦はその坎を重ねているのであって、その険みも亦大なりである。坎は人の横臥(おうが:体を横たえること)した形象であり、中爻の陽爻は人体で上下の二陰爻は手足とみる。又坎に水の象があり又陥る象があるから、上下全体で二人水に溺れて難(はば)むとみたのである。

●宝を載せて舟を破るの意

たからをのせてふねをやぶる

 此の卦の互体(二、三、四爻)に震があるが、震に舟の象があり、又宝玉の象がある。下卦の坎の上に震の舟が浮かび、その舟に震の宝を載せている象であるが、なおその舟を上卦の坎の水が覆す象があるから、即ち宝を積んだ舟が沈没した象となるのである。