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地雷復 ちらいふく

●地を掘って寶を得るの象

ちをほってたからをうる

 下卦の震に寶の象あり、上卦の坤は地である。そして此の卦は一陽地中に生じて地下を動かすの象故に地を掘るといったのである。此の卦は消長卦であって純陰坤為地の卦の下に一陽生じたのであって旧十一月冬至一陽來復の卦である。地雷復→地沢臨→地天泰→雷天大壯→沢天夬→乾為天となって旧四月純陽となり五月一陰生じて天風姤となり十月坤為地純陰に終わり、十一月復一陽生じて回復する。それ故に冬至を一陽來復というのである。旧五月の夏至(天風姤卦)から洵(まこと)に僅かづつではあるが太陽の日脚は短縮する。それが秋の彼岸過ぎになると晝間(ひるま)九時間四十五分、夜間は十四時間十五分間となる。そして冬至の頃を頂上としてそれからは是迄とは反対に日脚が僅かづつ伸びて來る。所謂、畳の目一つづつ伸びて來るのである。そこで冬至祭りを行って、一陽来復を祝う訳である。

●破屋重ねて修むの意

はおくかさねておさむ

 卦名の復の字はフタタビス又カヘルと訓ずる。此の地雷復の卦は、山地剥の卦の反対であって山地剥の卦の上卦の艮に家屋の象があり、そして剥卦は大艮の卦故に、その艮の象である大家屋を剥落した。即ち破屋である。それが今地雷復となって、下に一陽が生じたのであるが、これは即ちその剥落せる陽が再び下に顕れたのであってこれ破屋を重ねて修復する意である。