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天水訟 てんすいしょう

●天水違い行くの象

てんすいたがいゆく

 上卦は乾天で下卦は坎水である。上卦乾の天気は上昇し下卦の坎の水気は下降して上下和せず。これ天水違い行くの象である。彖伝にに曰く、天水と違い行くは訟なりと。訟はウッタヘ、アラソウ、又はサカウと訓ずる。上下乾は強剛で我を虐げ、我は坎険に陥って苦しむ斯(これ)の様に彼我(ひが:相手と自分)の心志(しんし:こころざし)相背き戻るのは、これ天水違い行くの象である。

●田獵無獲の意

でんりょうむかく

 田獵とは狩猟のことで、田獵に行って獲物がなかったとの意である。坎を四つ足とし鳥とする。然るに卦象が天水違い行き上下相背く象故に、これ田獵しても獲物無い意である。